忍者ブログ
濃姫擁護しか頭にないHaruhiが運営しております / Haruhiの脳内のおよそ98%は濃姫でできております / 生駒派はReturn to the back.



[298] [299] [300] [301] [302] [303] [304] [305] [306] [307] [308
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

兄の死を悼む暇もなく、帰蝶は金森可近を連れ美濃に入った
見聞のためと、信長舎弟・信良も連れて行く
信良は信長よりも、自分が殺した信勝寄りの気質のようだった
話し方、聞き方、何でも生真面目に受け取り、道中、帰蝶に息苦しい想いをさせる
「ですから私はこう考えるのです。折角犬山を越えるのですから、偵察部隊も同行させればよろしいのではと」
「こそこそ腹の中を探られて、気分良く過ごせる者が居るか?」
「しかし、犬山とて何を考えているのかわからない状態なのですから、何かきっかけのようなものを見付けられたら、それを口実に」
「わかった、わかったから少し黙っていろ」
「義姉上様」
「人前で、私を女呼ばわりするな」
          申し訳ございません・・・」
若年であるため、そう言った思慮はまだ遠い
信良は眉を顰めて謝罪した

懐かしい香りが漂う
この地で生まれ、この地で育った者にしか感じられない邂逅
流れる空気の穏やかさ
一つだけ深呼吸をし、十数年振りに味わう美濃の風を胸に吸い込む
ああ、そうだ
ここが、私の生まれた故郷なのだ、と、胸を過る想い
幼い頃、何度も通った長山の城が目の先にある
遠くてその姿は見えないが、城のあった山が目前に迫る
あの山で何度、友と駆けただろうか
あの山で何度、従兄妹を困らせたことだろうか
「姫様」
「姫様」
そう、自分を呼ぶ『お清』と『十兵衛兄様』の幻覚が、目の前を通り過ぎる
          お清・・・」
ほんの少し、目蓋が薄まる
「十兵衛兄様・・・」

          何一つ、手元には残っていなかった

ふと、松風から隣を見下ろす
可近もまた、数十年振りに還った故郷の地の懐かしさに、顔を歪めていた
帰蝶の視線に気付き、顔を上げる
瞳が潤んでいたのを、慌てて拭った
その可近に、帰蝶は何故だろう、無意識に微笑んだ
帰蝶の微笑みに一瞬目を丸め、それから、可近も微笑み返した
互いに黙ったまま、顔を正面に向け直す
今言葉を発すれば、全て軽く感じてしまうと、二人は想った

多治見は信良の言うように犬山を越えた先、土岐郷に程近い場所にある
更に可近の生まれた家は、妻木城と目と鼻の先の距離であった
どうしても、従兄妹の妻であった熙子を想い出す
義姉上様はお元気だろうか
あれから自身、毎日バタバタと慌しく過ごし、これまで顧みることなどなかったが妙に気になる
道空の話では無事に美濃を脱出したと聞かされてはいるものの、今現在、どこでどう過ごしているのかまではわからない
最も、賢い義兄上様がご一緒なのだろうから、心配する必要もないだろうがと、自分自身を納得させるしかなかった
「この辺りは、寺より神社の方が多いのだな」
信良の側に着いている可近に話し掛ける
「はい。私が美濃に居た頃は、それほどではありませんでしたが。久し振りの帰郷に、私自身驚いております。確かに神社が増えている」
「仏教よりも神道に熱心だったのか、この土地は」
「さあ、そこまでは覚えておりませんが、元々宗教そのものに対して先入観と言うものがありませんので」
「なるほど、全てを受け入れる度量があると言うことか」
「どうでしょう」
帰蝶の、試すかのような誉め言葉に、可近は苦笑いをして応えた

帰蝶が美濃に入っている間、なつは落ち着かない様子で局処の中を行ったり来たりしている
戦に出ているわけでもないのに、何故か心がソワソワして仕方がない
自分の、帰蝶への想いを再確認したからか、それが尚、心に拍車を掛けていた
これまで二人の夫を戦に送り出している
初めての経験でもないだろうに、湧き上がる不安は全く解消されず、胸の中でぐるぐると巡り来る
今日は金森家と会見をするだけで、金森の嫡流である可近が一緒なのだから万が一にも間違いなど絶対ありはしない
それでも
帰蝶を想う気持ちは、止められなかった
          若・・・。どうか、殿をお守りください・・・」
立ち止まり、両手を握って空に居る信長へ祈りを捧げる
今の自分には、これしかできなかった
出掛ける際の、帰蝶のあの表情を見れば尚更、心配は募る
緊張をしているのか、それとも、意にそぐわねば敵が増えると考えているのか、帰蝶の頬は硬く強張っていた
          殿・・・」
どうか、上手く行きますようにと手を合わせる
それは擬似の母としての想いなのか、それとも女としての慕情なのか、なつにはわからなかった

「お方様、山はまだ肌寒うございます。もうそろそろ、締めましょうね」
侍女がそっと、縁側の障子を締めた
          豊太丸様、亡くなられたのね」
小さな声で呟く
俯く顔は少し、翳りの色が差していた
「持病が悪化したのでしょうか。以前より患っていたとは伺ってますが、あれから五年、すっかり良くなったものと想っておりました」
「私もよ・・・。もっと、生きてて欲しかった」
侍女に顔を向け、那々は言った
「せめて、帰蝶が戻るまで、生きてて欲しかった」
「お方様・・・」
兄妹の対面を果たしてやりたかったのか
侍女は那々の優しさに目を潤ませる
だが
「そう、せめて帰蝶が凱旋するまで、美濃の盾になっていて欲しかった」
心の中でそっと、本音を打ち明ける
「お屋形様の後を、ご嫡男の喜太郎様が継がれたそうで。鷺山に配備されている警護兵も、その内引き上げるでしょう。そうなれば、いつでも山を降りれますよ。また、お城に戻られますか?」
「いいえ」
那々は小さく首を振って応えた
「私の子供達はみんな、美濃から離れてしまった。私を守ってくれる者など居ない。城に戻っても、豊太丸様のご内儀様が幅を利かせるだけ。そんな息苦しいところには、行きたくないわ。せめて、新五郎が居てくれたら・・・」
「奥方様・・・・・・」
「帰蝶の代わりくらいは、できるのかしら」
そう、また心の中で呟く
          姫様も、お元気でしょうか」
那々を慰めるつもりで、侍女は帰蝶の話を持ち出した
「尾張のご亭主様と、上手くやっておられるのでしょうね。何も伝わって来ませんが、寧ろ便りがないのは良い知らせとも言いますしね」
「そうね。帰蝶が至らぬ嫁であったなら、とっくの昔に追い出されているか、尾張中に帰蝶の悪口でも言い触らして回っているでしょうけど、そう言った噂も聞かないし」
「姫様は臨機応変なお方ですから、きっとお姑様にも可愛がられてらっしゃるのでしょう」
「ふふ」
小さく鼻を鳴らし、那々は笑った
「帰蝶は、特別な子なのよ。自分の歩く道を肌で探り当てる。どうすれば上手く行くか、咄嗟に判断できる。夫の、多く居る子供達の中で、帰蝶が一番深く豊太丸様に愛されていたの。そうよ。例え帰蝶が美濃国主になったとしても、誰も反対しないわ」
「お方様・・・」
突然、突拍子もないことを言い出す那々に、侍女は目を丸くさせた
「豊太丸様はきっと、帰蝶を自分の後継者にしたかったのよ」
「そんな」
苦笑いしながら、侍女は軽く首を振った
女を国主にだなど、常識で考えても有り得ない
誰も納得などしない
できようがない
なのに、それでも平然とそれを口にする那々に、帰蝶の母を見た
侍女はそんな想いで那々を見詰めた
何を考えているのか、相変わらずわからないお方だと言う気持ちも込めて

          池田勝吉郎佐治?」
部下の報告に、安藤守就は眉間に皺を寄せて聞き返した
「何者だ」
「わかりません。ただ、織田には池田隊と言う若い部隊があるのことだけは、わかっています。そこの副隊長がこの池田勝吉郎佐治と言う青年武将だそうで」
「それが、大垣周辺に出没しているというのだな?」
「はい」
「間違いありませんか、竹中殿」
名前を呼ばれたのは、美濃国最西にある関ヶ原を治める竹中半兵衛重治と言う、年若い青年だった
前年、父の死により竹中家の家督を継いだが、如何せんまだ若輩である
そこを突かれ、危うく織田に寝返りそうになったのを、この守就が引き止めた
重治を引き込もうとしたのが、池田勝吉郎佐治
つまり、佐治の情報が重治を通じて守就に流れたのだった
          はい。間違いございません」
重治はきゅっと結んだ口唇を広げ、応えた
「まだ若い方でした。私より、少し年下か。そう見受けます」
「そんな若輩者に、大垣を蹂躙されたと言うのか」
口惜しさに、守就は自分の膝を叩く
「この恥、晴らさずにおられようか・・・」
                
そんな守就を、重治は黙って見詰めていた
そして、一度逢ったことのある佐治を想い返す
いつか斎藤の脅威となるのではないかと想われる佐治を

武家は会合には寺を利用する
帰蝶の父と夫が会合に使った寺は正徳寺、帰蝶が信勝と謁見した場所も、興円寺と言う寺である
今日、金森家との謁見にも寺が選ばれた
目的の場所に到着すると、先に着いていた金森家の家臣が数人迎えに現れる
その中で一人、可近の見知りの人間が居た
「左近!」
「若様・・・ッ」
若干年を食ったその男は、帰蝶への挨拶を忘れないながらも、十数年振りの再会となる可近の顔に、薄っすらと涙を浮かばせる
「元気であったか」
「若様も、お変わりないようで」
感動の対面であろう、それでも帰蝶は表情を崩さずその光景を眺めていた
いつか自分にも、こんな瞬間が訪れるのだろうかと想い浮かべながら
その相手は、誰なのだろうか
                
要らぬことを想い浮かべてしまったと、帰蝶は軽く頭を振った
そんな帰蝶に気付き、可近が振り返る
「殿」
          参ろうか」
側に居た秀隆にとっては、聞き慣れた言葉
「はい」
初めて接したと言っても過言ではない可近は、顔を引き締め左近の肩を軽く押した

「待たせてすまない」
声と共に登場した帰蝶に、可近の叔父・金森孫四郎長可は一瞬目を丸くした
そうだろう
武士の正装ではあっても、髪は総髪か、後ろで一本に結んでいるだけ、月代には剃り上げられていない
髭もなく、まるで・・・
まるで女そのものとも取れる優麗な顔立ちの『信長』に、これが桶狭間山で今川義元を落した人物かと、そんな想いが溢れて仕方がない
しかしそれも束の間、少し遅れて入った甥の可近の姿に頬を崩す
「五郎八!」
「叔父上」
想わず膝が立つのを、長可は寸でのところで想い直し、爪先を揃える
          息災であったか」
「お陰様で」
先程の、左近との再会でもそうであったように、叔父との邂逅に可近は瞳を潤ませた
「早く、お前が一日でも早く美濃に戻ることを、祈って止まない・・・」
「それには」
「先ず、斎藤を叩き伏せる必要がある」
可近の言葉を押し退け、帰蝶が言った
「申し遅れた。織田家惣領、織田上総介信長である。よしなに」
「金森孫四郎長可にございます。お初にお目に掛かり、恐悦至極に存じます」
「恐縮など必要ない。そなたとは五郎八を通し、誼を通わせたいと願っておる」
「ありがたき幸せ。ご当主様直々においでくださるとは、甘い考えが現実になり驚いております」
「範子は元気か」
「はい?」
帰蝶の質問に、長可は再び目を丸くさせた
「武井夕庵と言う坊主が斎藤におろうに、その娘だ」
「ああ、はいっ。我が愚息の嫁御殿でございますな。はい、甚(いた)くお元気であられます。しかし・・・」
何故、信長が自分の息子の嫁を知っているのかと、素直に疑問に感じる
しかしその答えは直ぐに齎された
          我が、室が、できれば聞いて来て欲しいと」
                
一瞬、帰蝶の口調に躊躇いが見えた
まだ二重生活に抵抗があるのかと、秀隆は後ろから帰蝶の様子を伺った
「そうでしたか、奥方様が。斎藤家の姫君様であらしゃれましたな」
「室の実家と争うのは吝かでないが、尾張、美濃の情勢を考えれば致し方がない。そなたも斎藤と織田の板挟みになって心苦しかろうが、織田の力添えになってもらえるよう尽力願えぬか」
「それが、金森家再興に繋がるのでしたら、喜んで」

まだ、義龍が生きていた頃
金森家を訪れた夕庵の要請に応えるだけ
「帰蝶姫に協力してもらいたい。それが、金森家嫡流復活の礎になりましょうや」

夕庵は、『信長に』とは言わなかった
『帰蝶姫に』と言った
その理由はわからないが、帰蝶姫の夫が信長であるのだから、結果的には織田家に協力すると言うことに違いはないだろう
『信長に』と言えば角が立ち、明らかに美濃への叛旗に繋がる
しかし、『美濃の姫君』である帰蝶姫に協力することは、美濃への裏切りにはならない
『大義名分』には、なる

「我が室の父、私にとっては岳父になる道三が、遺言を残した」
「遺言・・・」
「美濃の一部を、織田上総介に譲ると言うものだ。しかし斎藤家は、未だその遺言を履行せずにいる」
「そのような取り交わしを・・・」
「武人にとって約束とは、どれほどの大きな意味を持つか、斎藤は理解していない。そのような者どもに、美濃を良いようにされてよいものか。そなたなら、どう考える」
「はあ・・・」
答えなど、そう簡単に出るものではない
だが、帰蝶、いや、信長の目はこう言っている
「織田に味方しろ」と
          お返事は、この場にて致したく参上仕りました。されど、人情を重んじるお心あらば、今しばらくこの五郎八との面談、味合わせてはいただけませぬか」
「こちらは一向に構わない。心行くまで、甥御殿との数年来の対面、実感するがよい」
即座に応える帰蝶に、長可は深く頭を下げた
それに合わせて可近も揃えて頭を下げる

「良いんですか。二人っきりにさせて」
後ろで秀隆が告げる
寺の中庭に出た帰蝶は、信良を伴い散策を洒落込む
「よからぬ相談など、できるものなのか?」
少しだけ振り返り、秀隆に言い挑む
「五郎八は、そのような男ではございませんっ」
秀隆の言葉を否定するかのように、信良が応えた
「織田を裏切る算段あれば、疾(と)うの昔に実行しております」
若さゆえか、その目は正直なほど怒っていた
「ははは、三十郎。そう目くじらを立てるな。シゲとて、五郎八が織田を裏切るとは考えておらん。しかし、金森家がどこまで織田の力になってくれるか、それも模索でしかない。シゲが心配しているのは、そのような詰まらぬ理由からではない」
「しかし、姉・・・、いえ、兄・・・えっと・・・」
「面倒なら、『殿』でも『上総介』でも構わない」
          すみません・・・」
周囲には三人の姿しかない
敢えて人払いした秀隆の気持ちを汲み、帰蝶は言った
「『兄嫁』としても、私と接した機会は今までなかったな」
          はい。母上の警戒が強かったので・・・」
「そうだろう。清洲に移ってからも、お前は私の前には現れなかった」
「怖かったのです」
信良は素直に応えた
「私は、吉法師兄様の弟です。ですが、三法師兄様の弟でもあります。あなた様にとって私は、敵なのか、味方なのか、どちらと取ってくださるのかわからなかった。ですから、あなた様が局処に来られた時は、部屋から一歩も外に出ないよう心掛けました」
「そうだな。お前にとって私は兄の嫁であり、兄の仇でもある」
                
苦笑いする帰蝶の表情は、想いの外愛らしかった
それに少しだけ胸が鳴る
「お前も私との接し方を模索していただろう。私も、もっと早くお前と向かい合えばよかったと後悔している」
          姉上・・・、いえっ、上総介様・・・」
慌てる信良に、帰蝶はふっと笑う
「姉上で、構わない。二人きりの時は、な。新五もそうしている」
          姉・・・上様・・・」
胸に万感の想いを抱え、信良は帰蝶を見詰めた
「私はどうなんですかね」
ふいと秀隆が割り込んだ
「お前は今は庭先の置石にも等しい存在だ。そう身構えるな」
「お、置石?」
「あははははは」
目を丸くさせる秀隆に、信良は声を高めて笑った
そんな信良に、昔の利治を想い重ねる
弟も、あの頃は引き攣った顔ばかりしていた
いつの間にか頼もしい存在へと変貌している
男はこうして、成長を重ねるものなのかも知れないと、帰蝶は想った

          織田での暮らしは、どうだ」
周囲を気にしながら、長可は聞いた
「はい、何不自由なく暮らさせていただいております。それもこれも、織田先代様のお陰です。落人である私を拾い上げて下さいましたので、織田家には感謝しております」
可近は苦笑いしながら続ける
「何れ、美濃攻めに必要になるだろうから、と」
「美濃攻め?」
「美濃の地理に詳しいからでしょうか。それに、国人衆らとも」
「そんな昔から、織田は美濃攻めを考慮に入れていたのか」
落胆にも似た感情が沸き上がる
「可児の土田家とは」
「恵那の遠山家がこちらを睨んでいる。下手な行動は慎まねばならん状態だ」
「ですが、遠山は」
「知っている。織田と婚姻関係にある。少なくとも、弾正忠、お前の主君か、そちらに向うことはないだろう」
「そうですか」
そう聞いて、可近はほっとした顔をする
「しかし、解せん」
「はい?」
叔父の疑問に首を捻る
「東美濃三名門の一つである遠山が、何故織田の味方をするのか」
「ですから、織田からご内儀様が」
「そうじゃない」
平和的な見解を示す甥に、長可は否定しながら言った
「お前は知らないのだ。遠山家当主の、気の荒さを」
「え?」
「『仏の顔をした鬼』。こちらでは、そう呼ばれている」
「まさか」
それを匂わせるような噂は、今の今まで聞いたことがない
「遠山与一景任様は、領民にとっては『仏』。だが、敵対する者にとっては・・・」
                
口篭る長可に、可近は喉を鳴らした
「木曽と隣り合わせにありながら、何故東美濃だけは大きな戦が起きないのか、考えたことはないか」
「それは・・・」
「真上には、飛騨がある。それでも、東美濃、いや、遠山家だけは何処の侵攻も受けていない。そうだろう、戦が起きる前に鎮圧している」
「戦前に、鎮圧?          まさか」
非現実的な叔父の言葉に、可近は笑った
しかし、声は乾いている
「お前が美濃を追われる頃、与一様はまだ若様だった。お前は若様であった頃の与一様を知らない。そして、遠山家当主になった与一様も、知らない。お前は、『遠山景任』を知らない。だから、何もわからない」
「叔父上・・・」
「そうだ。自分に歯向かう者は、誰であろうと容赦しない。勿論、身の内に与一様を裏切る者は居ない。優れた人物だからな。英傑と言うのか。東美濃の混乱は、全て彼が一人で抑えている。だから、誰も彼に歯向かわない。しかし、他国の人間に対しては、どうだろうか。それこそ、密者を見付ければ容赦しないとも言う。地獄のような拷問の末、人としての原形を留めない有様にまで落ちると言う。だから、武田も東美濃を警戒している」
                
まさか
それは、別の場所から生まれる
「遠山景任は東美濃を守る代わりに、東美濃が遠山景任を守っている。そう言った特殊なものが、お前の居ない間に生まれているのだよ」
「叔父・・・」
「その、遠山景任を手懐けたお前の主君、織田上総介信長とは、何者だ」
                

昔を懐かしみ、景任はもらった手紙を広げていた
それは妻が遠山に嫁ぐことへの約束を取り決めた書状である
文字は右筆が書いたのか、随分と纏まった形をしている
だが、『織田弾正忠信長』の花押の下、目立たないような印があった
「これでわからないとでも想っていたのか、我が遠き友は」
障子の向こうに広がる庭の景色に目をやり、離れた友の顔を想い浮かべる
「のう、斎藤の姫君よ」
共に山を駆け、鷹狩りを楽しんでいた子供の頃を想い出す
「あなた」
ふと、妻・つやの声がした
顔を向けると、確かに妻がそこに居て、部屋の外から自分を見ていた
「どうした、つや」
「織田が、美濃に来るとか?」
「ああ。多治見の金森と逢うそうだ」
「そうですか」
「どうした」
「実家から、甥がこちらに来るので、万が一の時は宜しく頼むと言われているのですが、出迎えの準備など今からでも間に合いますでしょうか」
「ははは。そのことなら前にも言ったが、準備は不要だ」
「どうして、ですか?」
つやは不思議そうな顔をして聞いた
「何故なら、お前の甥っ子は、ここには来ないからだ」
「来るとは知らされておりませんが、それでも万が一でも」
「万が一があっても、来はしないよ」
「どうしてわかるのですか?」
「そう言う性格だからだ」
「え?」
つやは益々不思議そうな顔をする
そんな妻に、景任はまた、笑い出す
「そんなことよりも、秋に向けての鷹狩りの準備でもしておくか」
「秋って、まだ夏も始まっておりませんわよ?」
「まあまあ、いいではないか、ははははは」
そっと畳み込む手紙の、その花押の下に、筆が触れただけとしか想えない、だが、見る者によってはある紋章が浮かび上がっていた
それは例えるならば、揚羽蝶の羽に似ていた

たらり、と、可近の米神からひと滴の汗が流れる
「私は・・・」
「五郎八、お前は今までに上総介殿と接したことは」
                
可近は黙って首を振った
「ずっと、三十郎様に着いておりました・・・」
「織田の家に居ながら、お前は自分の主君を見ていなかったのか」
          申し訳ございません・・・」
「彼は、何を警戒している」
                
わからない可近は、それには応えられない
「金森が、上総介殿に味方して、果たしてそれが金森家再興に繋がるのか。その保証は」
「わかりません・・・。ですが・・・」
厳しい目付きで居る叔父に、可近は拙い口調で言った
「織田の、大方様が、全幅の信頼を寄せておられる方です」
「家督争いでは、その織田家大方殿は弟君に加担したと聞くが」
「確かに、大方様は弟君であられる勘十郎様にお味方なさいました。しかし」
「その勘十郎殿が亡くなり、大方殿は長男・上総介殿に味方する他なかったのではないのか」
「わかりません・・・。そのような打算もあったでしょう・・・。しかし・・・。しかし、叔父上」
信良に着いて、数少ない目撃を、可近は話した
「大方様は、殿が出撃なされる時は、必ずお側におられ、見送ってらっしゃいました。生きる術だからと言う理由だけで、憎いはずの息子を見送るものでしょうか。私には、わかりません」
「五郎八」
「三十郎様も、最近では殿に着かれ、ご勉学に勤しまれておられます。それまではずっと、局処の奥に引っ込まれていた三十郎様が、殿に着いて・・・。叔父上」
可近は下がり勝ちであった顔を上げた
「私は、恥ずかしながら自身の主君について、何一つ知るところではございません。それは反省すべきことでしょう。ですが、聞いてくださいませ」
          なんだ」
「大方である土田御前様、先代ご側室であらしゃれる池田養徳院様、お二人揃って殿のお側におられます。このお二方が織田の猛女、才女と言われていることは、ご存知かと想います」
「ああ。特に、土田家よりお輿入れなされた市弥様は、こちらでも賢婦の評価が高い。そのご夫人が着いているのだから、上総介殿は大丈夫だと申すのか」
「自信・・・は、ありません・・・。ただ、今川を押し返したという実績しか、今のところ安心要素もございません。ですが、感じるのです」
「何をだ」
「あの方は、美濃と深い関りを持っておられる。それは、ご正室様が斎藤家の姫君だと言うだけではなく、それ以外の、もっと大きな何かを」
「何か、を・・・」
「ここに来るまで、ほんの少し、言葉を交わしました。犬山を越えるまでは全身からピリピリとした空気が流れておられた。なのに、美濃に入った途端、周囲を見渡す余裕が出ていました。私の顔を見る余裕が、現れておられました。叔父上、これはどう言うことでしょうか」
「どうした、五郎八」
心なしか、可近の顔が青くなるのを、長可は焦りにも似た気持ちで見詰めた
「あの方は、美濃を攻めるのではない・・・。『美濃に帰る』のだと言う雰囲気が伝わって、仕方がないのです」
「美濃に、帰る?」
「私自身、どう言う意味なのかわかりません。ですが、叔父上!」
可近は膝を一歩前に突き出し、長可に迫った
「あの方は、美濃だけは傷付けない。何があろうと、決して美濃を傷付けたりはしない。何処からともなくそんな自信が溢れて仕方がございません。止められないのです。叔父上、殿は美濃を愛しておられる・・・!ご自身のように、美濃を愛して・・・」
          尾張の男が、美濃を・・・、愛している・・・?」
可近の言葉が理解できない
意味がわからない
可近自身、自分で発する言葉の意味を理解していない顔をしている
          そんな気がして、ならないのです・・・」
                

それは恐らく、自分が幼い頃から側に居る、傅役とも言える存在だからだろうか
「五郎八!」
叔父との対談が終わったのか、可近が庭に出て来る
顔を見るや否や、まるで出迎えるかのように信良が駆け寄った
「三十郎も、まだ子供だな」
苦笑いしながら、信良の背中を見送る
「そう仰る殿だって」
隣に並び、共に信良の姿を見守りながら、秀隆が言った
「私が、どうした」
自分よりもほんの少し背の高い秀隆を見上げる
「美濃に入ってから、殿のお顔、穏やかになりましたよ」
「え?」
意味がわからず、キョトンとする
「清洲を出た時は、つんつんしたお顔をされてましたけど」
「そんなことはない」
強く否定するも、秀隆は軽くあしらう
「そんなこと、あるんです。金森との今後を懸念されていたんでしょうが、厳しい表情をされてました。帰ったら、おなつさんに伺われると良いでしょう。おなつさんもきっと、あのお顔に心配されてますよ」
                
そうなのかも知れない、と、帰蝶は正面を可近に向けた
その可近は帰蝶に向って、にっこりと微笑む
長可との会談が上手く行った証であろうか
          美濃は、心配ない」
「はい?」
「これで与一様との連携を上手く行かせれば、東に怖い物はなくなる」
「木曽も?」
「当然だ」
再び自分に顔を向ける帰蝶をじっと見詰める
「木曽の向うの信濃すら、恐れるに足りない」
その自信満々な表情に、秀隆も薄く笑う
「さあ、仕掛けようか」
「御意」
肩までの髪を風に靡かせ、帰蝶が進む
その後を、秀隆は背中を守るかのように付き従った

「清洲には戻らず、このまま小牧山に拠る。小牧で待機している五郎左に知らせろ」
「はっ」
「清洲から部隊を呼べ。私の本隊は勿論、権、三左、弥三郎、市丸、勝三郎を招集、残りは順次小牧に集まるよう指示しろ」
「承知しました」
帰蝶の采配に、美濃まで付き添った家臣らが清洲と小牧山に走る
帰蝶が小牧山の砦に入れば、斎藤との再戦が始まる
兄が死んで二日後のことである
感情の切り替えが、女にしては早いことを、なつはいつも心配していた
それが的中する
寺から戻った部隊の中に帰蝶はおらず、小牧に向ったと知らされた時は落胆を隠し切れなかった
「殿は、どうされるのですか?このまま小牧山に入られますか?」
「私は         
少し考え、離れた場所で待機している長可に声を掛けた
「金森殿」
「はい」
「城近くまで、お送りしましょう」
「え?ですが・・・」
「大丈夫だ。斎藤はこの会談には気付いていない。そうだな、兄上が生きておられたら勘付くかも知れないが、強敵は既に没している。土の中から、何が言えよう」
「はあ・・・」
『信長』にとって義龍は『義理』の兄であり、『兄上』と呼ぶべき相手であることが幸いしたか
『信長』が別人であることに気付くことはなかった
「殿?」
帰蝶の申し出に、秀隆が首を傾げる
「序でに、恵那の周辺も知っておきたい。だが、近付くことはしないから、安心しろ。与一様は腹を探られるのが大嫌いだ」
帰蝶は一際高く笑いながら言った
「私も同じだからな、与一様の考えは手に取るようにわかる。恵那の手前で良いだろう」
「と言うことは、可児に入るんですか?」
「可児は土田家が守ってる。それに、明智の旧領地は遠山家の物だ。通り過ぎるくらいでは、問題は起きんだろう」
「ですか」
その様子は、何かの理由が欲しがっているかのように見えた
仕方がないのか
生まれ故郷に、一時的な滞在とは言え、このような形で帰ったことは不本意なのだろう
表情は穏やかだが、その細い躰の至るところから、青白い炎に似た雰囲気が漂い始めている
何を考えているのか、わかる筈がない
秀隆は一振り首を揺らすと、帰蝶に同行すべく手筈を整えた

帰蝶、その側室である巴が揃って不在の今、局処に上がるにはなつか、市弥の承認が必要だった
その承認を得るために、恒興は母を庭に呼び出す
親子なのだから、話をするのなら場所は何処でも構わない
          そう」
帰蝶から召集が掛かった恒興は縁側の上に居る母に、一言告げてから出発しようとしていた
その命令が下ったと言うことは即ち、清洲には戻らないと言っているようなものだ
せめて見送りたかったと言う気持ちが押え切れなくなる
「わかったわ。弥三郎の屋敷から、さちを呼ばなくてはね。菊子がここに居るのだから、呼びに行くことはできないでしょう。私が代わりに」
「母上」
                
自分を止める息子に、なつは少し呆けた顔を向けた
「殿に、何か伝言でもございますか」
「勝三郎・・・」
相変わらず優しい顔
それはなつにとっては、頼もしさを全く感じさせない物だったが、今だけは倅の気性に感謝する
「そう・・・、ね。どうか、ご無事でお戻りあそばすように、と」
「畏まりました」
「夜更かしをしては、いけません、と」
「はい」
「お茶の飲み過ぎも。それから、若様のことは、ご心配なく、と」
「承知しました」
言わずとも、心配をしていないから何も告げずに行くのだろう
わかっていても、言葉が押えられない
「夜はきちんと布団を被って寝るように、それから、小牧山には湯殿がないでしょうから、椿油を届けます、と」
「母上」
さすがに、恒興は苦笑いして母を制止した
「戦に油は必要ありません」
「そう・・・・・・・ね」
「吉兵衛殿に、殿の注文している兜を頂きたいのですが、上がっても宜しいでしょうか」
「ああ・・・、そうね」
「それとも、母上がお持ちくださいますか」
          勝三郎・・・」
今の自分は、どんな顔をしているのだろうか
「今の私、・・・どんな顔をしてますか」
恐る恐るそれを訊ねる
恒興は穏やかな顔をして応えた
「今の母上のお顔、まるで」
「まるで?」
「死にそうなお顔をなさっておいでです」
                
肩を落とし、項垂れる
「わかってるの。殿が戦に行く度に、こんな顔してちゃいけないって。でも・・・」
「それでも、ご心配なのですよね?」
                
応えず、じっと息子の顔を見る
「ですから、私達が居るんじゃないんですか」
「勝三郎・・・」
「母上は、この九年間、吉法師様のことよりも、息子である私のことよりも、いつも、殿のご心配ばかりされて来ました。それは私にとって、少し憎らしいほどでした」
爽やかな笑顔、だが、これまでの恨みつらみを晴らすかのような言葉
なつは倅の言葉に申し訳なさそうな目をして、眉を顰めた
「ですが、殿と共におりますと、私ですら殿をお守りしたいと言う気持ちになります」
「勝三郎・・・」
「あの、向こう見ずで真っ直ぐなお方は、だからこそ危なげで、誰かが側についていないと何をするかわからない。見ていて、いつもハラハラさせられます。だから、城の中に居る時は母上が、城の外に居る時は私が、殿をお守りするのだと言う気持ちになります。この想いをなんと表現すれば良いのか、私にはわかりません。だけど、そんなこと、どうでも良いとさえ感じさせるのですよね、殿と言う方は」
「そう・・・ね」
「私達が、殿をお守りします。だから母上、どうかご安心くださいませ」
息子の力強い言葉に、口惜しいが励まされた
          ありがとう・・・」
なつはそっと目を伏せ、小さな声で呟いた

気の強い母の、気弱な姿はいつも、帰蝶が戦に出る頃になって現れる
恒興は、母のその気持ちがなんなのかまでは理解できなかったが、それほどまでに帰蝶の身を案じていることだけは、痛いほどわかった
帰蝶を心配する母が、その時だけは『女の顔』をしていることを、知っていた

多治見に入り、可近の叔父の一行を見届ける
それから小牧山に向うつもりだった
不意に秀隆へ声を掛ける
「シゲ」
「はい」
「先に小牧山に向かってくれ」
「殿は?」
「しばらく一人になりたい」
「無理を仰らないでください。この大事な時に、総大将を一人にさせる?あなたの非常識さには馴れたつもりですけどね、それでも行きたいところがあるのなら、遠慮なく仰ってください」
「シゲ・・・」
帰蝶はまじまじと秀隆の顔を見た
「多治見の向こうは?可児、ですよね」
                
黙って頷く
「行きたいのでしょう?可児に。その可児の、どこなのかまでは、わかりませんが」
「シゲ・・・・・」
「序でに、可児の豪族どもの顔も、見て行きますか」
「ははは・・・。可児家、か?」
「ただ、眺めていたいだけなら、挨拶は不要でしょう。どちらになさいますか」
                
少し考え、それから応える
「一目、見て行きたい・・・。叔父上が守ろうとしていた場所を・・・。懐かしい、長山の城を・・・」
私はそこで、吉法師様の許へ嫁ぐための準備をしていた、と、心に浮かばせた
「承知。可児の長山、明智城ですね」
「良いのか?」
帰蝶にしては珍しい、弱い声
「駄目だって言っても、どうせ一人でこっそり行くつもりだったのでしょう?だったら、お供しますよ。その方が安心だ」
「シゲ・・・」
私の周りはどうしてこうも、心配性な人間ばかりなのだろうかと、帰蝶は苦笑いした
自分がそうさせていることにも気付かずに

少数だけで動いた方が安全と、秀隆は部下らを先に小牧山の砦に向かわせた
帰蝶も信良と可近を小牧山に行かせようとしたが、道案内として可近がそれを買って出る
「道は、わかってる。そう心配しなくてもよい」
「ですが、叔父上からは殿をしっかりお守りするようにと託っております」
「孫四郎殿が?」
可近とて、故郷ではないとしても自分と同じく、少しでも長く美濃の空気を吸って居たいのか、そんな気を起こさせるような顔をしていた
隣に並ぶ信良も、『義姉を守るのだ』とでも言いたげな表情で、松風の上の自分を見上げている
          お前達・・・」
帰蝶は、少し困惑したような顔で苦笑した
「帰れと言っても、着いて来る気か?」
「その心積もりはできてます」
そう、はっきりと秀隆が応える
「わかった」
頑固な筈の帰蝶が折れた
「勝手に着いて来い。だが、道に迷ったとて、探してはやらんぞ。自力で小牧に向え」
そう言うと、帰蝶はいきなり松風を走らせた
「殿ッ!」
後ろで秀隆の叫び声が聞こえる
帰蝶はその声に軽く笑い、目を真っ直ぐ、正面に向けた
懐かしい風景が、目の前に迫る

基本、女は生まれた城から外に出ることは滅多にない
嫁に行くまで同じ場所で変わらず過ごすことが当たり前だった時代、帰蝶は城の中ではじっとせず、稲葉山の周辺は勿論、事あるごとに従兄妹の住む明智・長山城へと足を向けていた
それは、外の世界を少しでも多く見て学んで欲しいと言う父の考え方だったのか、女であれど自由に過ごして欲しいと願っていた母の想いだったのか、自分を解き放ってくれる兄の愛情からだったのか、今の帰蝶にはわからない
わからないが、あの頃の自分が居るからこそ、今の自分が存在する
死んだ夫の代わりとして、それなりに国や部下、政治を動かせるのも、子供の頃からの経験があるからなのかも知れない
少なくとも、他の女よりは発想が自由であることが、そうなのかも知れない
いつもそこに居た、当たり前の存在、『お清』が居ない今、それでも時は経ち、時代は流れ、自分は毎日少しずつ年を取っている
子供の頃は高く感じていた木々が、今は低く想えた
実の成る季節ではなくとも、それでも見覚えのある栗の木が視界に入る
栗の毬で指先に無数の傷を作り、袖一杯の実を拾って帰ると、先ず最初に叔母のしきに怒鳴られ、それから、叔父の光安が庇ってくれ、それから、従兄妹の光秀に誉められ、その妻の熙子が台所で栗の皮を剥いてくれた
当たり前だった光景
もう二度と目にすることは叶わないだろうが、それでも前に進むと決心した以上、昔を振り返り懐かしみ、いつまでもうじうじと悩んでいることは本意ではない
懐かしい栗の木の群を抜け、長山城を目前に迫る
その直後、帰蝶の目の前に一頭の馬が姿を現した
                 ッ」
一人きりなら敵ではないだろう、だが、こんな場所で自分を出迎えてくれる人間も居る筈がない
「殿ッ!」
背中で秀隆の声がした
          やはり、そなたであったか」
木陰に隠れた、馬上の人物の顔が鮮明になる
その顔に、帰蝶は一瞬呆けた
          もしや・・・」
「もしかして斎藤の姫君か?」
その人は、冷やかすかのように笑いながらそう言った
あの時と同じ言葉を掛けられ、帰蝶の口唇の端が震える
          与一・・・様・・・」
「久しいな」
                

不覚にも、懐かしい友の姿に、帰蝶の目が潤んだ

「『鷹狩り友達』だとは聞いていたけど、まさか本当に友人だとは想ってなかったな」
離れた場所から見守る秀隆は、独り言のようにポツリと呟いた
秀隆と同じく、信良、可近も、そこから帰蝶と景任を眺める
帰蝶は未亡人、景任は妻のある身
古の友とは言え、他人である男女が同じ場所で二人きりで居ることは憚れる
当然だが、同じ場所に居ながら少し離れて対話していた
「まさかとは、想って居たぞ」
「いつ、気付かれましたか・・・」
「最近になってな。昔、織田からもらった書簡を何度も読み返している内、ある疑念が浮かんだ」
「疑念?」
「ある時を境に、織田の世評がごろりと変わった。知っているか」
「それは、一体・・・」
「長良川合戦だ」
                
帰蝶の口唇が、一瞬引き攣った
「長良川で、お前の父と兄が争った。身内同士の争いだ、お前にも相当の心労があったろう。だが、それでも信長正妻の名前が出ることはなかった。それだけじゃない。それ以降も、『斎藤帰蝶』の名は一切出て来ない。どうしてだろうかと、私なりに考えていた。不仲なら、妻が表に出ないのも頷ける、しかし、粗末にされているのなら信長正妻が美濃に返されると言う話が浮上してもおかしくはない。織田にとって斎藤道三は後ろ盾だったのだからな、その後ろ盾を失えば、政略で嫁いだ『斎藤帰蝶』の存在価値はなくなる。価値のない女を側に置いていても、そうそう使えるものでもない。それ以上に、長良川合戦で道三側に付いた武将の多くが、尾張に身を寄せていると言う事実」
          与一様・・・」
帰蝶は景任の、この、洞察力の鋭さが、昔から気に入らなかった
だからと言って、嫌う要素にはならないが
相変わらず、遠くから全てを見通す力の凄さに驚かされた
「斎藤家の末子、確か道三正妻の生んだ子だったな」
          はい」
「義龍に捕まり、処刑されたと言う話も聞かなかった。寧ろ、織田の戦に参戦しているとも聞いた。どうしてだ。私は考えた」
「与一様・・・」
「織田に、姉が居るからだ」
                
その通りだと、帰蝶は返事の代わりに軽く目を伏せた
「あの戦を節目として、織田の戦い方が変わった。戦をしても、膠着状態のまま決着が着かないのが織田の特色だった。ところが、あれ以降、織田は目に見えて戦力を身に付けている。実弟との争いで、信長は血の繋がった弟を殺した。何故だ。謀叛だけが、原因か?」
                
「謀叛を起こした家臣は許しても、弟は許せなかったのか。何故、許さなかった」
「それは・・・・・・・・・・・」
「情に脆いはずの信長が、実弟を殺した事実、これも私に疑念を感じさせた。そして、それ以降、徐々にではあるが、戦に連勝し始めた。そして、遂には駿府の今川を倒した。私が聞く『織田上総介信長』のままで、今川を倒せたか、その疑念が浮かび、そして、結論が出た」
「与一・・・様・・・」
「お前だな、我が友、斎藤帰蝶。お前が戦に出て戦っている。だから、織田は戦に勝ち始めた」
                
応えられず、帰蝶は俯いた
その帰蝶に尚も畳み掛けるように、景任は言った
「だが、その『信長』も、斎藤相手の戦には勝てない。どうしてだ」
「それは・・・」
「『身内』だからだ。斎藤にはお前をよく知る人間が多過ぎる。だから、『理解され』、勝てなくなった。違うか」
                
認めたくない、だが、それ以外の真実を見付ける術のない帰蝶は、小さく首を振った
「自分を知る者との戦いほど、厄介な物はない。縦しんば、お前の亭主が今川に勝てないとしても、斎藤には勝てただろう。我が友よ、答えろ。何故、お前が戦に出ている。何故、今、そうして男のような様相でここに居る。多治見の金森と謁見したのは、お前自身か。お前の亭主はどうした。何処に居る」
          それは・・・・・・・・・・・・」
口唇が震える
本当のことを打ち明ける勇気が出て来ない
話せるだけの、心の余裕がなくなる
          何も、言えなくなった
「十年ほど前、鳴海でお前の亭主と顔を合わせた」
          与一様・・・」
ほんの少しだけ、顔を上げる
「嫌に清々しい男だった。サバサバしていると言うか、詰まらない拘りなど持っていないように想えた。なるほど、あれがお前を骨抜きにした男かと、私は妙に納得した。斎藤の姫君よ」
          はい」
「私にですら話せないことがあるのなら、それはそれで構わない。だがな、こんな時勢とは言え、せめて古き友である私だけは、信用してはくれまいか」
          与一・・・様・・・ッ」
景任の言葉に、帰蝶ははっと目を見開き、じっと見詰めた
「覚えているか、子供の頃のことを」
「忘れたことなど、ありません」
「お前は昔から、『女扱い』されることを極端に嫌っていた。この山で顔を合わせた時ですら、私と対等に渡り合おうとしていた。そして、私に勝利した。斎藤の姫君よ。いや、織田の惣領よ」
「与一・・・様・・・・・・・・・」
帰蝶の目が一層大きく見開かれた
「織田信長は、何らかの理由あって、既にこの世には居ない。だから、お前が信長の代わりをしている。これは私の推測だ。だが、相違ないな?はっきり返事しろ」
                
応えられず、帰蝶は首を振った
「帰蝶ッ」
煮え切らない帰蝶の態度に、景任は初めて帰蝶の名を叫んだ
「与一様・・・。斎藤帰蝶は、既にこの世にはおりません」
「何を言っている」
「斎藤帰蝶は、消えましたッ!今、あなたの目の前に居るのは、織田上総介信長ですッ。私が、織田上総介弾正忠信長です!」
「帰蝶・・・」
「私が、一生、背負ってゆく名前です」
                

離れた場所からこの光景を見ている可近は、叔父の長可から聞かされた話を想い返していた
『仏の顔をした鬼』、遠山景任と向かい合い、そして、その『鬼』を手懐けた『信長』をじっと見詰めている
今まで接点などなかったかのように想える二人が、まるで旧友のように真剣な顔をして話し合っている
時には感情を剥き出しにしてまで
人は短い間にこれほどまでにわかり合えるものだろうか
いいや
『旧知の仲』でなければ、こんなにも長い間、向かい合うことなどできない筈だ
叔父の言った言葉
「織田上総介信長とは、何者だ」
自身も、その言葉の意味を知りたいと想った

真剣な顔をして、自分を信長だと言い切る帰蝶に、景任は懐から書状を取り出し、広げた
「お前が信長として生きる決意を固めたのなら、これ以上何も言うまい」
「与一様・・・」
「だがな、それでもお前の深層の中に、自分を知ってもらいたいという気持ちがあるのではないか?」
          そんなもの、ございません」
「なら、これはなんだ」
目の前に突き付けられた、数年前に遠山家に送った手紙
信長の名前の下にある『花押』
「これは与一様に・・・・・・・」
景任はその花押を指差した
「何だ。答えろ」
                
「答えられんか。なら、言ってやろう。これは、お前の羽だ。帰蝶。蝶の羽。違うか」
「与一・・・様・・・」
言葉にするのが苦しい
そんな顔をする帰蝶に、景任は苦笑いを浮かべた
「私は、お前を責めに来たのではない。真実がお前の中にあるのなら、それで良い。無理に抉じ開けて、見たいとも想っておらん。だから、安心しろと告げに、ここに来た。お前の性格だから、決して遠山の領地は踏まんと見込んでな。だが、来るとするならそれはきっと、お前の従兄妹が居たこの地ではないかと予想していた。的中したわけだ」
          行き先が直ぐに割れてしまうほど、私は、そんなにも単純な人間なのでしょうか」
自分を冷やかすような言葉を告げる
「お前は複雑だ。複雑過ぎて、理解に苦しむ。だからこそ、理解する価値があるのだ、斎藤帰蝶。いや」
景任は、敢えて言い直しをした
「織田弾正忠信長」
「与一様・・・」
「お前の部下に言っておけ。お前を知る者の前で、『殿』と呼ぶな、とな」
「それは」
「さっき、あの男がお前を『殿』と呼んだ。だから私は確信したのだ。信長は、お前だと言うことを、な」
                
少しだけ秀隆に振り返り、それから景任へ向き直し、帰蝶は躊躇わず苦笑いした
それは与一様だからこそ気付いたことであって、そうではない人間の前ではやはり、『殿』と呼んでもらうしかないのだと、何故だかそんな言葉を飲み込み、あの頃の、穏やかだった頃の『斎藤帰蝶』の顔に戻り、この瞬間、今だけはそんな自分にただ、戻っていたかった
『帰蝶』と、名を呼ばれたのは何年振りだろうか
その頃の、何もない、穏やかで過ごせていた自分に戻りたかった

景任を先頭に、馬を走らせる
誰かの背中を見ながら松風を走らせるのも、数年振りだった
何もかも懐かしい慕情の中で、帰蝶は夫が死んで以来、初めて心穏やかに風を感じることがきでた
自分の前を行く景任に、心密かに感謝する
視界に広がる、長山の城
                
松風を止め、しばらく呆然とした
「城は落ちたままにしてある」
前方で景任がそう告げた
城の半分、方角にすれば西側が見事なほど焼け落ち、目を凝らせば天主が剥き出しになっているのがわかった
          叔父上は・・・」
全ての責任を一人で背負い、切腹し果てたとは聞いている
だが、肝心なその後の部分については、帰蝶は誰にも尋ねなかった
聞くのが怖かった
「墓は、明智家の菩提寺に祀られている。だが、跡取りが居ないからな、家はそのまま断絶した。せめて十兵衛の所在が明らかであれば、こちらで呼び戻すこともできるのだが、そうすれば斎藤が黙って見過ごすかどうかあやふやだ」
「そうですね・・・。もしも遠山家が関与したとなれば、斎藤が東美濃を攻めるのに美味い口実を与えてしまう・・・」
「隙あらば、土田家がここを狙っているが、どう言うわけか最近は大人しい。お前が抑えているのか?」
「吉法師様のお母上様が、土田家の姫君ですので、その協力を頂いております」
「なるほど、女を味方にしたか。心強いな」
「自然の成り行きです」
「そう仕向けるにしても、才能がなければ不可能だ。胸を張れ」
                
景任の言葉に、帰蝶は軽く笑う
「城は、どうする。再築するか。それとも」
          私が美濃に戻った暁には、綺麗に均してみせます」
帰蝶の返事に、景任は一瞬目を丸くした
「従兄妹の城を、潰すのか」
「再築すればここはまた、戦の火種が生まれます。漸く遠山家の色に染まりつつある可児の地を、再び混乱させることはできない。民が惑います」
「帰蝶・・・」
「叔父上も、民が困惑することを望んだりはしない。生きておられたとしてもきっと、そうしたと想います」
「そう・・・か」

          西の姫

そう言って、常に慈愛に満ちた微笑みで、自分を見守ってくれていた光安の、在りし頃の姿を想い浮かべる
妹の娘だから、叔父はあんなにも大切にしてくれたのだろう
そんな叔父の魂を、心配事で乱したくはなかった

「帰蝶」
名を呼ばれ、帰蝶は景任に躰を向けた
「美濃に帰ると言ったな」
「はい。そのために、戦っています」
「なら、一日でも早く帰って来い」
「与一様」
「東は任せろ」
          ありがとうございます」
心強い、景任の言葉
その一言に、帰蝶は胸を熱くさせた
「では、私は退散しよう」
「与一様?」
「今しばらく、自由だった頃の自分に戻りたかろう?私が居ては、目障りなだけだ」
「そんな」
景任の言葉に、帰蝶は軽く笑う
「お前がどのように美濃に戻るか、じっくり見ている。心しておけ」
「・・・・・・・・承知しました。与一様の期待、裏切らぬよう肝に銘じます」
「その言葉、信じているぞ」
にかっとひとつ笑い、景任は馬の手綱を捌いた
走り去る景任の背中を見守る帰蝶の目に、新たな決意が生まれる
また一つ、大事な約束が生まれたと、ほんの少し、肩が重くなったような気がした
「殿」
景任の姿が完全に消えてから、秀隆が近寄った
「シゲ」
「はい」
顔を長山城に向け、呟くように話す
「私は、幼少の殆どを、ここで過ごした」
「そう、でしたか」
「懐かしい面影はどこにも残っていない。全部、壊れてしまった」
「殿・・・」
「だから、ここを真っさらな状態に戻したい。あの城も、何もなかったかのように、全て無に戻したい」
「殿、それは・・・」
「消すのではない。そこからまた、新たな命が芽吹く。それを果たしたい」
焼け野原に雨が降り、風が吹き、どこからともなく流れて来た木の芽や花が根を降ろし、新しい野原を生む
女、なればこそ、そう感じることができた
「叔父上も、城をいつまでもこのままにしていて欲しいとは願っていないだろう。だから」
「だから?」
秀隆に顔を向け、宣言する

「必ず、ここに戻る」
          殿・・・」

美濃で生まれた蝶は、いつか、美濃に帰る
その祈りを込めて、『帰蝶』と名付けられた
名付けた親の死から僅か三日後、帰蝶は生まれた国に仕掛けた

永禄四年、五月十三日
第三次美濃攻めの始まりである
PR
この記事にコメントする
name
title
mail
URL
comment
pass   
Secret
久し振りの更新です
少しずつ書き溜めていた物ですので、読みづらい部分もあるかと想われます
まだ体調が芳しくありませんので、次の更新にも相当の時間が掛かるものと予想されます

史実の信長との接点も殆どない『遠山景任』の再登場です
『帰蝶』では信長に嫁入りする前に少しだけ、『信長』では三河の村木砦攻略の際に一瞬だけ登場しただけで、今後出て来ることはないと想い、景任の正しい幼名を調べず創作したのですが、まさか三度も出て来るとは私自身考えていませんでした
こんなことになるのなら、帰蝶との接点をもっとたくさん絡めておけば良かったと後悔しています
史実の景任は相当の『出来人』のようで、悪い噂も残っていませんが、敢えて戦国武将らしい一面を創作してみました
現実、信長が美濃入りして、景任が亡くなるまでの数年間、信長の背中を守っていた人物ですので、その辺りのことも創作として構想するのはとても楽しいです
生きていた頃の信光(孫三郎叔父様)に遠山家との婚姻を持ちかける時に、帰蝶は同盟ではなく連合として遠山家と婚姻したいと言っておりました
その理由が、今回のこの話に繋がります

信長への輿入れ以来、初めて帰郷した美濃の地で、久し振りに顔を合わせた友との対話の中、帰蝶は新たな決意、そして、もう一つ増えた約束(重荷)をどう果たして行くのか、私ですら展開が読めませんが、のんびり進めさせていただきます
Haruhi 2010/04/24(Sat)11:18:58 編集
味方
Haruhiさんお久しぶりです。
お身体、いかがですか?ご無理なさらず、ゆっくり回復してくださいね。

帰蝶の味方が現れた…と安心しました。
もちろん回りにはいっぱい味方がいるのでしょうが、お外にも後ろに下がりそうになる彼女(彼?)の背中をグッと支えてくれる人が。
どうしても守りたいもののために、大事に大事に闘う姿。
戦は好きじゃないけど、そこへ向かう帰蝶をしっかり見守りたいと思いました。

6月に『ちはやぶる神の国』という舞台を観に行きます。
本能寺の変のお話だとか。
蝶の柄の着物を新調したので帰蝶の気分で行って来ます!

相変わらずあったかくなったり寒くなったり…のお天気ですが、
Haruhiさんもお身体ご自愛くださいませ…。
mi URL 2010/04/27(Tue)11:33:48 編集
Re:味方
>お身体、いかがですか?ご無理なさらず、ゆっくり回復してくださいね。

お久し振りです
ありがとうございます
更新も日を空けて少しずつ書き進めたいと思ってます
ですので、次の更新もかなり時間が掛かると想いますので、ご了承下さいませ

>帰蝶の味方が現れた…と安心しました。

私も、与一様を帰蝶の味方にしようとは考えていませんでした
ですので、今後出るとしても『坊丸』を養子に貰い受けたいと申し出るシーンくらいかと思っていたのですが、それよりもずっと早くの再登場になりました
帰蝶が生きた時代は激動続きで(その原因は旦那なんですが)、身内ですら争う間柄だったのが当たり前の世、『友達』など作れる環境ではなかったのに、この作品での帰蝶には『友』と呼べる相手が居ます
それが唯一の幸せなのかも知れません

>もちろん回りにはいっぱい味方がいるのでしょうが、お外にも後ろに下がりそうになる彼女(彼?)の背中をグッと支えてくれる人が。

本当に心が打ちひしがれた時、どんなに親身になって心配してくれる人の存在があっても、気持ちが救われない時ってありませんか?
例えば、「放っておいて」と相手を突き放したり
そう言うことが帰蝶にもあると思うんですよね
そんな時は、周囲にどれだけ自分を支えてくれる人が大勢居ても、屁のツッパリにもならない
それくらい追い込まれることがあると言うことです
だけど、そんな状況にあっても、周囲の声が届くというのは、本人がどれだけ強い人間かということも、物語るのではないかと考えています

>戦は好きじゃないけど、そこへ向かう帰蝶をしっかり見守りたいと思いました。

合戦を書くのが下手なんですが、一生懸命想像し、じっくりと構成して手懸けたいと思ってます
勿論史実でもそれほど大きな合戦ではなかったようですので、そこそこの仕上がりにしかならないと思うのですが(苦笑

>6月に『ちはやぶる神の国』という舞台を観に行きます。

もしかして、信長が用意した宝を巡ってどたばた劇が繰り広げられるという物でしょうか
随分前にニュースサイトでチラ見した記憶が
違っていたら恥しいですが、私がサイトで見たものでしたら、濃姫の紹介のところが「名前・濃姫。または帰蝶と呼ばれている」とあったような
内心、「逆、逆」て突っ込みましたが

>蝶の柄の着物を新調したので帰蝶の気分で行って来ます!

いってらっしゃいませ
使うことはないのですが、ここ数ヶ月間、蝶をあしらったピアスやイヤリングを見掛けると、ついつい買ってしまいます
今で5つほど溜りました
その内3つがゲームのお濃様の頭(今のではなく、『2』の頃の)に付いているヘアーアクセサリーの揚羽蝶にそっくりで、1つはまんま同じような形のもの、残り2つは揚羽蝶そのものをあしらっていて、とても綺麗です
まるでお濃様のように(笑

>Haruhiさんもお身体ご自愛くださいませ…。

ありがとうございます
パソコンも付けたり付けなかったりですので、コメントに気付くのが遅れて申し訳ありませんでした
Haruhi 【2010/04/28 22:17】
濃姫(帰蝶)好きの方へ
本日は当サイトにお越しいただき、ありがとうございます

先ずはこちらのページを一読していただけると嬉しいです→お願い

文章の誤字・脱字が時折混ざっております
見付け次第修正をしておりますが、それでもおかしな個所がありましたらお詫び申し上げます

了承なしのリンクは謹んでご辞退申し上げます
管理人の独り言も混じっております
[11/04 Haruhi]
[08/13 kitilyou]
[06/26 kitilyou命]
[03/02 kitilyou命]
[03/01 kitilyou命]
ゲームブログ
千極一夜

家庭用ゲーム専用ブログです
『戦国無双3』が絶望的存在であるため、更新予定はありません

◇◇11/19 Nintendo DSソフト◇◇
『トモダチコレクション』

おのうさま(帰蝶)とノブ(信長)が 結婚しました(笑

祝:お濃さま出演 But模擬専…     (戦国無双3)


おのれコーエーめ
よくもお濃様を邪険にしおってからに・・・(涙

(画像元:コーエー公式サイト)
オンラインゲームにてお濃様発見


転生絵巻伝 三国ヒーローズ公式サイト:GAMESPACE24
『武将紹介』→『ゲーム紹介』→『Exキャラクター紹介』→『赤壁VS桶狭間』にてお濃様閲覧可
キャラクター紹介文
絶世の美貌を持つ信長の妻。頭が良く機転が利き、信長の覇業を深く支えた。
また、信長を愛し通した一途な妻でもあった。

(画像元:GAMESPACE24公式サイト)
勝手にPR
濃姫好きとしては、飲めなくても見逃せない

岐阜の地酒 日本泉公式サイト

(二本セットの画像)
夫婦セット 吟醸ブレンド(信長・濃姫)
本醸造 濃姫
カップ酒 濃姫®=爽やかな麹の薫り高い、カップとは想えない出来上がりのお酒です
吟醸ブレンド 濃姫® ブルーボトル=自然の香りのお酒です。ほんの少し喉を潤す程度でも香りが深く体を突き抜けます
本醸造 濃姫®=容量的に大雑把な感じに想えて、麹の独特の香りを抑えたあっさりとした風味です

今現在、この3種類を試しておりますが、どれも麹臭い雰囲気が全くしません
飲料するもよし、お料理に使うもよし
お料理に使用しても麹の嫌な独特感は全く残りません
奇跡のお酒です
何よりボトルがどれも美しい

清洲桜醸造株式会社公式サイト

濃姫の里 隠し吟醸
フルーティで口当たりが良いです
一応は『辛口』になってますが、ほんのり甘さも残ってます
わたしは料理に使ってます

清洲城信長 鬼ころし
量的に肉や魚の血落としや、料理用として使っています
麹の香りが良いのが特徴ですが、お酒に弱い人は「うっ」と来るかも知れません
どちらも一般スーパーに置いている場合があります
ブログ内検索
ご訪問、ありがとうございます
あまり役には立ちませんが念のため
解析

Copyright © Haruhi … All Rights Reserved. / Powered by NinjaBlog ・ Material By 苑トランス , KOEI

忍者ブログ [PR]