母と義息（むすこ）

本能寺の変　その後

信雄「母上ー、父上の肖像画が完成しましたー。見てくださーい」
濃姫「まぁ、殿には全然似てませんね」
信雄「今の流行の描き方ですからね、仕方ないです」
濃姫「なんですか、この立派なチョビヒゲは。あの人はなまずヒゲでしたわ」
信雄「まぁ、父上は体毛が少ない人でしたからねぇ」
濃姫「体毛が少ないのが、何ですか。そりゃ確かにあの人は、すね毛もわき毛も少なかった・・・」
信雄「父上の、唯一の汚点ですね、なまずヒゲ・・・」
濃姫「だけど！あそこは多毛でしたわ！」
信雄「ええ、密集してましたね・・・」
濃姫「男は、毛の数ではありません！生き様です！」
信雄「母上の仰るとおりです」
濃姫「信雄、お前は織田の生き残りとして、恥ずかしくない人生を過ごしなさい」
信雄「心掛けます」
濃姫「では、わたくしは明智に帰らせていただきます」
信雄「えぇ？！織田を見捨てるのですかッ？！」
濃姫「薄毛体質の家系など、滅んでしまえ」
信雄「ううっ・・・。それもこれも、父上の毛が薄いばかりに・・・よよよ・・・」
信長「死んでも死に切れん」