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濃姫擁護しか頭にないHaruhiが運営しております / Haruhiの脳内のおよそ98%は濃姫でできております / 生駒派はReturn to the back.



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ずっと胸に仕舞ってあった想い
誰に告げることもなかった遠い日
胸の奥で、燻り続ける小さな炎
目を閉じればそれは、いつでも掌にある形のない幻
ふとしたことで蘇る
それを、『想い出』と言う

小さな妹が、『家出』をして来た
『妹』と言っても、血の繋がりは薄い
私はこの城の城主の息子で、彼女はその城主の妹の娘で、故に私達は世間から『従兄妹』と呼ばれていた
従兄妹、だけれど、どうしてか、彼女が可愛くて仕方がない
私に実の妹が居ない所為だろうか
そんな気がする

「聞いているの?十兵衛兄様」
とおほども歳の違う従兄妹は、可愛らしい頬を膨らませ、自分を睨んでいた
「聞いていますよ、姫様」
「信じられますか?あの『お清』が、私に口答えをしたんですよ?」
「そりゃあ、お清殿にも言い分があるでしょう」
「どうしてですか。お清は私の家来です。家来は主の言うことを聞くものです」
「ですがね、姫様。『高が』団子の掛け餡ごときで、城を出るほど大騒ぎをすることですか?」
「高がとは何ですか、高がとは。聞き捨てなりません」
最近、この姫君に傅役が付いた
その傅役が小憎たらしいほど知恵と口の回る男で、姫君はどうもその傅役に強く影響されているようだと言う話は聞かされていた
「団子には昔から醤油と相場が決まっています。なのにお清ったら軟弱にも、餡子が良いと言い出して」
「それで、姫様が醤油で、お清殿が餡子で喧嘩をしたのですか?」
「喧嘩ではありません。お清が口答えをしたのです」
          ははは」
「笑い事ではないのですよ?お陰で今年の花見は散々でした」
「ですが、最近は巷でも餡子の団子が流行っていると聞いております」
「そんな、京都の行商が持ち込んだものよりも、昔ながらの醤油の甘だれの方が美味しいに決まってます」
「姫様は、餡子がお嫌いなのですか?」
「好きではありません」
「甘いですか?」
「知りません」
「食べたことは?」
「ありません」
「・・・っぷ」
『食わず嫌い』で意地を張る従兄妹の姫君に、十兵衛は軽く吹き出した
「食べもせず好きではないと言われたら、それは餡子が余りにも可哀想です。姫様、一度食べてみて、それから決めてみては如何ですか?」
「でも・・・」
「お清殿もきっと、同じだったに違いありません。食べもせず価値を決め付けてしまっては、勿体無い。姫様には、そう言った人間にはなって欲しくなくて、口答えをしたのではありませんか?」
                
そうなのかな、と、小さき姫君は少し口唇を尖らせて、黙り込む
「もうそろそろかな」
「何がですか?」
「いえね、いつものことで、そろそろお清殿が迎えに来るのではないかと」
「そんなわけがありません。だって私、お清に酷いことを言いましたもん」
「なんて?」
「『腰抜けの芋侍』・・・と」
「あははははは!」
豪快に笑う十兵衛に、姫君は顔を真っ赤にして怒鳴った
「笑わないでください!お清は腰抜けでも芋侍でもありません!」
「笑えば、それを私が肯定したと」
          は・・・」
素直に『はい』と、応えられない
十兵衛は姫君の気質をよく知っていた
少し『難しい』ところがあることも
「大丈夫ですよ。お清殿は気にしてませんよ」
「どうしてわかるのですか?」
「だって」
ほんの目の先に、その少年の姿が見えた
その姿を見詰めながら、十兵衛は続ける
「お清殿は『腰抜け』でも、『芋侍』でもないのでしょう?」
                
十兵衛の視線の先を辿る
そこに、さっき喧嘩別れした『幼馴染』が手に竹の包みを持って立っていた
「・・・お清」
「帰りますよ、姫様」
十兵衛に頭を下げ、それから姫君・帰蝶に話し掛ける
「嫌だ」
「姫様」
「お清が謝らない限り、私は帰らない」
「だったら、先ず一口食べてみて、それから決め直してください」
四の五の言うよりも、実行する方を好む姫君に、お清は手にしていた竹の包みから餡子の乗った団子の串を掴み、『四の五の』言わず口に放り込んだ
「美味しいですか?」
                
お清の問い掛けに、口をもごもごさせたまま、姫君は黙って首を振る
「不味いですか?」
                
二度目の問い掛けに応えず、首を振る
「どっちですか」
痺れを切らせたお清が、せっつかせるような口調で聞いた
姫君は悔しそうに片方の頬を引き攣らせ、漸く応える
          甘い」
「っぷ!」
二人の遣り取りに、十兵衛はまた、吹き出した
「姫様は、男に生まれていたら酒豪になっていたかも知れませんね」
「兄様!」

本当は、団子の味よりも、お清殿が迎えに来てくれたことの方が、気になったのでしょう?
姫様は昔から、『素直じゃない』お方だから
だけどね、姫様
餡子が存外に美味しかったことよりも、お清殿が自分をきちんと理解してくれていると知ったことの方が、ずっと嬉しいのではありませんか?

そう言いたいのをぐっと我慢して、十兵衛は姫君とお清の遣り取りを心地よく聞いていた
言えば『素直じゃない』姫君のことだから、きっと、頭から角を生やして怒るに違いない
「来年は、餡子の団子にしよう」
「え?姫様、醤油の団子の方がお好きだったのでは?」
「莫迦者!京で流行っている菓子を侮っては、田舎者と誹られるぞ」
「そんな大袈裟な」
「あはははは!」
姫君の『大袈裟』な口調にも笑えるが、姫君の一言一言に一々表情を変えるお清の様子もおかしい
十兵衛は喉が渇くほど笑い転げた

有り触れた春の、ほんのささやかな出来事だった

「上総介」
襖の向こうから義理の母親の声が聞こえた
「どうぞ」
膝を崩していた帰蝶は姿勢を正し、義母を迎える
「今、少し良いかしら」
「はい、どうぞ。どうかなされましたか?」
「大したことじゃないの。吉法師の法要のお供えに団子を作ったのだけど、今年は餡子にしてみたの」
「餡子・・・ですか」
「それで、あなたに味見をしてもらいたいのだけど、良いかしら」
餡子の掛かった串団子か・・・と、帰蝶は懐かしい想いに駆られる
「どうぞ」
「良かった。夕餉前だから、断られるかと想って」
と、市弥は恥ずかしそうな顔をしながら、背中に隠し持っていた皿を手渡した
少し形は歪だが、艶の見事な餡子がほんのり湯気を立てている
「美味しそうですね」
「そう・・・?」
「うっかり、これで腹を膨らませてしまいそうです」
「そんな、大袈裟よ」
恥ずかしい反面、嬉しくて、市弥は口元を押えて笑った

夕暮れに吹く風が、舞い散る桜の花弁を運ぶ
あの日も、こんな穏やかな春の日だったな、と、帰蝶は懐かしんだ
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『戦国無双3』が絶望的存在であるため、更新予定はありません

◇◇11/19 Nintendo DSソフト◇◇
『トモダチコレクション』

おのうさま(帰蝶)とノブ(信長)が 結婚しました(笑

祝:お濃さま出演 But模擬専…     (戦国無双3)


おのれコーエーめ
よくもお濃様を邪険にしおってからに・・・(涙

(画像元:コーエー公式サイト)
オンラインゲームにてお濃様発見


転生絵巻伝 三国ヒーローズ公式サイト:GAMESPACE24
『武将紹介』→『ゲーム紹介』→『Exキャラクター紹介』→『赤壁VS桶狭間』にてお濃様閲覧可
キャラクター紹介文
絶世の美貌を持つ信長の妻。頭が良く機転が利き、信長の覇業を深く支えた。
また、信長を愛し通した一途な妻でもあった。

(画像元:GAMESPACE24公式サイト)
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濃姫好きとしては、飲めなくても見逃せない

岐阜の地酒 日本泉公式サイト

(二本セットの画像)
夫婦セット 吟醸ブレンド(信長・濃姫)
本醸造 濃姫
カップ酒 濃姫®=爽やかな麹の薫り高い、カップとは想えない出来上がりのお酒です
吟醸ブレンド 濃姫® ブルーボトル=自然の香りのお酒です。ほんの少し喉を潤す程度でも香りが深く体を突き抜けます
本醸造 濃姫®=容量的に大雑把な感じに想えて、麹の独特の香りを抑えたあっさりとした風味です

今現在、この3種類を試しておりますが、どれも麹臭い雰囲気が全くしません
飲料するもよし、お料理に使うもよし
お料理に使用しても麹の嫌な独特感は全く残りません
奇跡のお酒です
何よりボトルがどれも美しい

清洲桜醸造株式会社公式サイト

濃姫の里 隠し吟醸
フルーティで口当たりが良いです
一応は『辛口』になってますが、ほんのり甘さも残ってます
わたしは料理に使ってます

清洲城信長 鬼ころし
量的に肉や魚の血落としや、料理用として使っています
麹の香りが良いのが特徴ですが、お酒に弱い人は「うっ」と来るかも知れません
どちらも一般スーパーに置いている場合があります
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