名前について

戦国時代の武家男子の名前ですが、幼名は『丸』が付くのが必須、成長して元服後の少年時代に名乗る名前には『郎』が付きます
例えるなら、斎藤義龍なら、幼名は『豊太丸』
元服した後は『新九郎』
たまにそれ以外の幼名を持つ武将が居ますが、『吉』で終わる名前は大抵一般家庭出身です
（『丸』も『郎』も、全てに当て嵌まるわけではありません。たまに例外も存在します）
河尻秀隆は美濃の土豪の息子なので、『鎮吉』（『鎮』は『シゲ』とも読めますので、恐らくは『シゲキチ』が読み方でしょうか）
石田三成は近江の土豪の息子なので、『佐吉』
そう想うと、武家なのに佐久間信盛らに『吉』で終わる名前にしたのは間違いだな、と、今、彼らの名前の変更を考えております
通称しか残ってないので、面倒ですね
せめて河尻のように『与兵衛』と残しておいてくれたら楽なのに

豊臣秀吉の名前には、捏造がたっぷり含まれております
長く彼の幼名（出世する前の名前、と表現した方が正しいでしょうか）は『藤吉郎』と伝えられておりますが、近年、彼の正しい名前は『藤吉』
『郎』は後から付け足したのだそうです
そうなると、確かに百姓の倅らしい名前になりますね
一般人で『郎』が付くと言うのはわたし自身、確信を持っておりません
今のところですが、『郎』が付くのは全員、武家の出身者ばかりです
秀吉は過去の自分の名前まで捏造し切れなかったのでしょうか
当時の文書にも『藤吉』（この場合は他人の出した書簡）の名前は確認できましたが、『藤吉郎』は確認できませんでしたし、彼は早くに『秀吉』と名乗っていたので、そちらの名前ばかりが浮上している状態です
また、『木下』は奥方の旧姓であり、百姓に名字が存在しない時代でしたので、彼は『名無しの藤吉』が正解です
名字が誕生するのは明治時代に入ってから
それも初期のころはやはりまだ江戸文化が浸透していたので、全ての日本人に名字があったわけではないそうです
（うちの母から「一般人がまだ名字を名乗れない時代に、うちの先祖は既に名字を持っていた。それは武家出身だったから、名字を持ってたんだ」と聞かされたことがあります）
そう言う理由もあるので、今後『通称を作成しなくてはならない武将が出て来たら、面倒だなぁ』と頭を悩ませながら、今日も少しずつ下書き更新しております