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濃姫擁護しか頭にないHaruhiが運営しております / Haruhiの脳内のおよそ98%は濃姫でできております / 生駒派はReturn to the back.



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織田の家臣達は複雑な気持ちだった
実に十二年にも及ぶ斉藤との戦の末、ようやく城を落としたと言うのに、よりにもよってその城の城主だった娘を正妻として迎え入れたいと言うのだから、堪ったもんじゃない
百歩譲って若い頃から年増好きだったのも含め、数歳年上の近江の方を側室にするというのならまだしも、前途のある少女に入れ込んでいるのだから目も当てられない有様だし、何より敗戦国の人間が二人の婚姻によって織田内で大きな顔をされるのではないかと言う心配もあった
確かに信長はこの年まで正式な妻がいないので、誰を正妻にしようが問題はないが、その相手が誰なのかが問題だ
表面では平静を装っているが、心の中では自分達を憎んでいるに違いない
一緒に居るにもかなり気を遣う帰蝶姫が自分の主君の妻になったら、顔を上げて歩くこともできなくなってしまう
そして斉藤の元家臣達も同じように心内は複雑だった
帰蝶は西美濃の象徴だと想っている
道三の死後、大きな戦といえばこの信長との戦いくらいなもので、他に数えるものも少ない
他国に比べ比較的平穏無事だったのは義龍夫妻の働きもあるし、国人衆との絆も深い
それゆえにいつ頃からか帰蝶は平和の象徴として崇められて来た
その帰蝶が信長の手に落ちるとあれば、名実共に美濃は信長の物になってしまう
こうして織田家に仕えることにはなったが、心のどこかでは自分達が仕えるのは斎藤家であり、ために働くのは美濃だと言う気持ちがまだ残っていた
帰蝶が信長に嫁げば、最後に残された矜持も取り上げられることになる
それが、つらかった
そして、斎藤家の姫君でありながら、自分達と同じ目線に立ってくれていた帰蝶が、存命中である先代の奥方の次の地位に上がることになるから、雲の上に居た姫君が今度は月の上にまで上がってしまうことになり、遠い存在になってしまう
ついこの間まで「姫様」「姫様」、「ははは、お転婆でござるなぁ」と笑い掛けていた相手が、次に会う時は「ははぁー!」と平伏して、顔を見ることも憚られる存在となるのだから、帰蝶が生まれたばかりの頃を良く知る美濃三人衆にとっては「まるで自分の娘が天皇家に嫁いで相手の家に爪先で頭を踏み付けられる」ような、そんな錯覚を起しても笑えない状態だ
しかし、それを表には出せないので「斎藤家や我々の矜持に関わる」と包み隠して反対したのだが、生憎信長にはそれが通じなかった
「全く、腹芸の利かない男だな」と感じたのは、言うまでもなく
両家の想いを知ってか知らずか信長は、今日も帰蝶の住む鷺山屋敷へと足を運んだ

毎日毎日、過去に関わった女の話をしても、そろそろ嫌がられる頃だろうとようやく気付く
と言うのも、今日は一度も帰蝶の顔が変わらない、無表情のままだからである
まだ雪深い岐阜ではあるが、季節は冬の終わりになろうかとしていた
帰蝶の生母である近江の方に取り入ろうとこの春には、行かず後家だった自分の妹を近江の方の実家に嫁入りさせてにじり寄ることに成功した
永禄十年(1567年)の八月中頃、今は岐阜城と名を改めた稲葉山の、この井口城に入った時、帰蝶はまだ十一だった
あれから半年が過ぎようか
それなのに、今も自分を袖にするこの小娘が気になって仕方ない
もう初潮は済んだか?と聞けば恙無くと、堂々と応えるその胆の据わり方も気に入っている
何より、父親から散々なことを言われ続けていても、その手腕で日本一気難しいことで有名な美濃の国人衆と渡り合った男の娘だ
その人望も父親の背中越しに今も存在した
打算なようなものもある
帰蝶が妻だったなら、美濃の国人衆が自分の味方になってくれる可能性も、高い
今回美濃を落とせたのも、その国人の存在が左右したのだから
一に美濃の国人衆が龍興を見放したこと、二に既に信長の許に何人かの美濃衆が仕えていたこと、それを通じて今回、美濃三人衆と呼ばれる稲葉、氏家、安藤がこちら側に付いたのが決定的となり、難攻不落だった稲葉山城を落とせたのだ
そして、『濡れ手に粟』で斉藤の有能な家臣達もおまけして来る
これが一番ありがたい
織田の勢力は、まだまだ小さいままだからだ
斉藤を攻めたとしても、変わらず斉藤の家臣や美濃出身者を重用すれば、この美濃を治めるのも易い
帰蝶はあらゆる意味で自分にとっては重要な存在である
素直に嫁いでくれれば嫡男・奇妙丸の養母とできるし、そうなれば相続問題も面倒なことにならず済む
全く、義龍と言う男は、ありがたい遺産を残して死んでくれたものだと心の中で想った
想いながら、目の前の帰蝶のあられもない姿を想像して躰の一部を硬くさせる、それはそれで器用な男でもあろうか
帰蝶と言う童女の肩には『西美濃』、道三の残した財産、『美濃三人衆』、ついでに美童・菊千代、そして、どこよりも京に近い存在・美濃国の全てが乗っていた
道三の時代から美濃は近江を飛び越えて京との流通が盛んな場所であり、この頃では一番の『都会』でもあった
美濃に移ってから見て回った『楽市・楽座』の存在も大きい
それから、その帰蝶に、『仕事のできるかっこいい男』の姿も見せたかった
男の意地である
龍興との戦で混乱した西美濃の平定を早急に進め、様々なところに安堵や律令を配って回る
暇さえあれば帰蝶に手紙を書き、送る
そこからそこの距離なのに
朝、帰蝶に手紙を書き、それを届けさせながら帰蝶のところに参る
信長の話を聞いている帰蝶の許に、信長からの手紙が届けられる
信長の話を聞きながら、信長の手紙を読む
そんな生活がずっと続いていた
いい加減、飽きて来る

「春は祭りがあるのか」
「そうですね。私は城からしか眺めたことはありませんが」
「直には見ないのか?」
「城の外は怖い男ばかりの世界だから、出てはいけないと父上様に言われておりましたので」
「ならば、このわしがお前を守ってやるぞ」
「あなたが一番の怖い男だったりして」
「そんなことはない」
「わかりません」
「ならば、わしを知ればいい。お前はわしのことを何も知らないから、ただ怖いと想い込んでいるだけだ。わしを知れば、怖い男ではないことぐらい、直ぐわかる」
「そうでしょうか」
今日は珍しく帰蝶と、会話らしい会話ができている
信長の心はウキウキした

帰蝶を見初めたのが永禄十年の八月
それから斎藤家は城の引渡しや引越しなどの整理でしばらくバタバタしていたが、さすが義龍が死んでから一人で斉藤を切り盛りしていただけあって、近江の方の仕事は速かった
残夏の頃にはもう、斉藤の荷物はなくなっていた
しかし、その近江の方が帰蝶を連れて実家に帰ると言い出したので慌てて引き止め、大急ぎで鷲山の屋敷を改築させたのが同年の秋月
月に直せば九月の初旬
屋敷が出来上がるまでの間帰蝶親子を犬山城に預け、完成したのが冬過ぎ
それから毎日こうして帰蝶の許に通っているのだが、足掛半年近く口説き続けていることになる
何故こんな不毛な毎日が楽しいのか、信長自身わからなかった
ただ帰蝶を眺めていると胸が踊り嬉しい気分になる
こんな気持ちになるのは生まれて初めてだった
今年で三十四
もしかしたら、遅すぎる初恋なのかも知れない
豪族の息子として生を受け、女が欲しければ好きな時に手に入れられた
そう言った環境にあったのに、それでも恋を感じさせた女の数は少ない
後になって、「ああ、あれが恋だったのかも知れない」と想うことはあっても、今のように胸の奥が疼くような奇妙な感覚になったことは一度もなかった
奇妙丸を生んだ女とは奇妙丸が生まれた後直ぐ別居となり、今はもう向こうは病の床に伏してここ数年名前すら想い出せない状態だった
次男茶筅丸を生んだ女は一族を召抱えるまで気に入ったが、結局女共々使い物にならなくて、今は手を余しているのが実情だった
救いはその女の従兄弟が唯一使えるようなことくらいで、こちらとしてはいつでも縁を切っても惜しくはない存在になっている
茶筅丸を生んだ女も、去年くたばってしまった
名前は                
忘れた
なんせ死ぬ数年前まで一度も逢ってなくて、葬儀の焼香代を送った時に一筆取っただけで、確か「おきち」だったか「およし」だったか、漢字は『吉』だったことに違いないが、当時の自分はその女をどう呼んでいたのかさっぱり想い出せない
美濃を攻める際に小牧山に城を建て、その女の実家と近くなったのでどうしているだろうと呼び寄せようとしたのだが、「生憎妹は長年の病を患っておりまして、明日をも知れぬ身でございます」とその兄に言われ、合体した時期もほんの数ヶ月で、少なくとも半年以上関係を持ち続けた記憶がない
結合して直ぐ妊娠したからだ
あまりにも早すぎで、本当に自分の子なのか?と疑ったこともあった
結果としては、火遊びのつもりだったのが相手が本気になってしまい、本妻にしてくれと迫られて面倒になり捨てたのだけど、信長本人がそのことを忘れ周囲から引き離されたと想い込み、嫌な想い出は忘れたいと自分勝手に捏造し、今の今まで曖昧な記憶のまま到っている
後は和議のための婚姻や、いつまで経っても子作りに励まない自分を心配した大方殿(先代正室)に女を宛がわれたりだとか、時にはちょいと摘み食いのつもりで突付いた女が孕んで子供を産んでと言った具合なので、自分でも言ったように誰が誰の子供なのか種を仕込んだ本人が把握していないのが現状だった
そんないい加減な家柄なのに、信長の熱心さに心打たれた近江の方が自分の味方になってくれているのが心強い
ただし、無理強いはいけないと嫁入り前の接続だけは、固く禁止されている
「姑様となられる近江の方様と、少しでもお近付きになりたくて」と揚々とした顔で織田・浅井の婚約の話をすれば、近江の方も随分喜んでくれたものである
ああ、まだ未婚の妹が居てくれてよかったとつくづく想う信長ではあったが、今日も帰蝶は肌を許してくれそうにはない
目の前のご馳走が食えないじれったさは、信長でないとわからないだろう
戦以外、自分の想い通りにならなかったことはなかったのに、このお姫様だけはどうにもできない
せめて手を繋ぐぐらいはしたいものだと想いながら、今日も茶を点て帰蝶に飲ませ、「結構なお手前で」と誉めてもらって有頂天になる
それはそうと、稲葉山の城に入ってから、近江の方は惜しげもなく道三の収集した茶器をそっくりそのまま手渡してくれたのが何より嬉しい
それまでは文化人のような生活など憧れたこともなかったのだが、整頓のために眺めていた道三の茶器の数々を見ていると、いつの間にかすっかりその魅力に取り憑かれてしまった
滑らかな肌触りは乙女の肌のようで、と言っても信長自身、その肌の綺麗な乙女とはあまり縁がなかったが、撫でているとあちらが元気になる
全く、今も変わらず『尾張のうつけ』を現役で続行させているようだ
色付きも目を楽しませてくれる
この所為か、美濃に移った信長も道三のような風流人になったのは言うまでもない
こうやって帰蝶に逢う度に、次はどんな茶器を持って来ようか考えるのも楽しかったし、時には帰蝶からその茶器に纏わる想い出話しも聞けるが、帰蝶としては祖父・道三は物心付く前にこの世を去った人物であるので、もっぱら父との想い出話しで終始する
父・義龍はずっと多忙な毎日を過ごしていたので、文化的な生活とは縁遠い人物だったそうだが、それでも何かの催しを興しては子供達を楽しませてくれたそうだ
そんな時に祖父の茶器が活躍する
その程度の話だったが、信長にとっては楽しいひと時だった
「この茶器は                
厠に行きたかったが間に合わず、これで尿(ゆばり)を受けました
なんて聞かされた時には、信長の『雄』が直立不動したこと間違いなし
「わしでよかったら、こ、この口で受けたのだが・・・」
そんな自分を冷めた目で見る帰蝶の眼差しにも、ある意味興奮を覚える信長であった
何はともあれこの帰蝶姫は、四六時中監視にも似た環境で育ったので、基本は奔放だった
ただ、生身の男を知らないだけで、充分信長を楽しませる女に育つだろう
下世話な話もそれほど出ないが、帰蝶との対談は楽しい
表情もどちらかと言うと刺々しいが、信長には充分だった
こうして向かい合えるだけで幸せだったのだ
だけど、人はそれ以上の幸せを望むもの
「わしは、お前以外の女を妻にする気はない」
そう、口癖のように言う
「いつ、その気になるかわかりませんよ」
「待つ」
「あなた様が死ぬまで、首を縦には振らないかも知りませんよ?」
「それでも、待つ」
「あなた様が死んでしまったら?」
「お前の枕元に立ってでも、返事を待つ」
                
そんな執念で一生を付け回されたら、堪ったもんじゃない
「私でないと、いけないのですか?」
「そうだ」
「どうしてですか?」
「胸がときめくからだ」
「ときめく?子供の私にですか?」
「そうだ」
「大人のあなた様が?」
「そうだ」
「どうしてですか」
「わからん」
理由は信長にもわからない
それを素直に言う
「そうですか」

信長が鷺山屋敷に通い始めて二ヶ月が過ぎ、三ヶ月もそろそろ終わろうかとしていた

「だからあなた様は尾張のうつけと呼ばれるのです」
「そうかも知れん。だが、これがわしなのだから仕方ない」
信長の言葉に、この男は自分を飾り立てて見栄を張ることを好んだりはしないのだろうと感じられた
「そうですか」
帰蝶は一呼吸起き、それからそっと信長に近付き、その額に口付けをした
突然のことに、信長は目を丸くしている
そんな信長に帰蝶は
「もうちょっと、気の利いた口説き方をなさってくださいませな。そうしたら                
「そうしたら?」
「次は、その口唇にして差し上げましょう」
                

この日の信長は、股間を丸く膨張させたまま堂々とした態度で屋敷を後にして、家臣達から「やはりうつけだ」と内心悪態を突かれながら城に戻ったそうだ
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祝:お濃さま出演 But模擬専…     (戦国無双3)


おのれコーエーめ
よくもお濃様を邪険にしおってからに・・・(涙

(画像元:コーエー公式サイト)
オンラインゲームにてお濃様発見


転生絵巻伝 三国ヒーローズ公式サイト:GAMESPACE24
『武将紹介』→『ゲーム紹介』→『Exキャラクター紹介』→『赤壁VS桶狭間』にてお濃様閲覧可
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